カラオケで一生懸命歌っているのに『歌詞が伝わらない』と言われたことはありませんか?
舞台やセリフでも“言葉がはっきりしない”と感じたことはありませんか?
実はそれ、声量や滑舌の問題ではなく“子音”が原因かもしれません。
母音だけでは声が響いても、子音が不明瞭だと歌詞やセリフは相手に届きにくいんです。
子音を意識することで、声はグッとクリアになり、伝わる声に変わります。
この記事を書いているMotto!はこんな人!

①年間1000時間以上の
指導実績のあるボイストレーナー
②声優志望、プロの声優への
マンツーマンレッスン実績が
年間500時間程度あります
声を構成する要素は大きく分けて「母音」と「子音」。
母音は「あ・い・う・え・お」の5つで、声そのものを響かせる“土台”の役割を持ちます。
一方、子音は「か・さ・た・な・は・ま・や・ら・わ」などの音を形作る部分で、言葉の輪郭をつくる存在。
例えば「さくら」という言葉も、母音だけだと「あうあ」になってしまいます。
でも子音が加わることで「さ・く・ら」とハッキリとした言葉になる。
つまり――
母音=声の響き
子音=言葉の輪郭
どちらも欠けてしまうと、相手に届く声にはなりません。
歌でもセリフでも、声の「響き」と「明瞭さ」をバランスよく使うことが大切です。
子音が弱いと声は次のように聞こえてしまいます。
- 言葉がぼやけて歌詞が伝わらない
- 舞台やセリフで「滑舌が悪い」と言われる
- 声量を上げても“うるさいだけ”になってしまう

僕自身も以前は「声が大きい=伝わる」と思っていました。
でも実際は、どれだけ声を張り上げても「何を言ってるのか分からない」と言われてしまうことが多かったんです。
ところが、子音を意識するようになってから一気に改善。
同じ声量でも「クリアで届く声」になり、歌もセリフも格段に伝わりやすくなりました。
なぜ子音が弱くなるのか? 主な原因は3つあります。
- 母音ばかりに意識がいっている
歌や発声の練習では母音に注目しがち。
その結果、子音が置き去りになってしまいます。 - 舌や唇の動きが弱い
特に「サ行」「ラ行」。舌先や息のコントロールが甘いと、どうしても曖昧になります。 - 息の流れが浅い
子音は空気の流れをしっかり使って出す必要があります。
浅い呼吸だと、子音にしっかり息が乗らず不明瞭になりがち。
ここからは、誰でもできる子音のトレーニングを紹介します。
1. 子音+母音で発声
「か・き・く・け・こ」「さ・し・す・せ・そ」などを、同じ音量・高さで丁寧に発声します。
ポイントは 口の形と舌の動きをしっかり意識すること。
母音だけ響かせるのではなく、子音から声を立ち上げるイメージです。
子音をできるだけ短く発音してみようとするのがポイントです!
2. 早口言葉
「生麦生米生卵」「隣の客はよく柿食う客だ」などは、子音の発音練習に最適。
ここで大事なのは“速さ”ではなく“明瞭さ”。
しっかり伝わるスピードで言うのが効果的です。
早口言葉と言うから早く言いがちですが、大事なのは明瞭さ!早く言うには先ほどの短く発音が必要になります!
3. 歌詞を子音だけで読む
例えば「さくらさく」なら「s-k-r-s-k」と子音だけ発声してみます。
すると、言葉の骨格が見えてきて、母音を乗せた時に一気にクリアになります。
歌ならリズムに乗せて子音が発音できるようになっていると、早い曲でもおいていかれなくなるかも??
子音トレーニングは、実際に歌やセリフで試すことで効果が発揮されます。
- 歌詞を母音だけで歌う→母音編でチェック!
- 次に子音だけで読む
- 最後に母音+子音を合体
この順番で練習すると、声の安定感がグッと増します。
カラオケでのチェックポイントは「大声ではなく、子音が届いているかどうか」。
マイクに頼らず、体から出る声の明瞭さを意識してみましょう。
また、舞台やセリフでは「小声でも伝わるか」を確認するのもおすすめ。
小さい声でもクリアに届くのは、子音がしっかりしている証拠です。
子音トレーニングでよくあるつまずきをまとめました。
- 「子音を強調しすぎて不自然になる」
→ 一度録音して確認。必要以上に強くならないようバランスを取る。 - 「ラ行が苦手」
→ 舌先を軽く弾く練習を。最初は小さな声でもOK。 - 「サ行が弱い」
→ 息の流れを強調。息が抜けないと声がこもってしまう。 - 「意識しすぎて歌がぎこちない」
→ 慣れるまでは仕方ない段階。母音・子音を分けて練習し、自然に統合できるまで続ける。
子音は、声の「伝わりやすさ」を決定づける重要な要素。
母音だけでは声は響いても、言葉は届きません。
- 母音=響き
- 子音=言葉の輪郭
この両方を意識することで、声はクリアに、そして確実に相手に届くようになります。

カラオケでも舞台でも、まずは「子音をしっかり感じる」練習から始めてみましょう。
きっと、声の印象がガラッと変わるはずです。