セリフの読解を意識して、
実際に録音してみた方も多いと思います。
最初は、

前よりはちゃんと読めている気がする
そんな手応えを感じることもあるでしょう。
ところが何度か録音しているうちに、
- これで良いのか分からなくなってきた
- テイクを重ねるほど迷ってしまう
- 自分では良いと思うけど、不安が残る
そんな感覚に変わっていくことはありませんか。
実はこれ、
録音を真面目にやっている人ほど陥りやすい状態です。
録音そのものが難しいというより、
「録音をどう扱えばいいのか」を知らないだけ
というケースがほとんどです。
この記事では、
セリフを録音するときに
最低限知っておいてほしい考え方と、
独学で迷いやすいポイントを整理していきます。
「上手く録ろう」とする前に、
まずは録音との正しい向き合い方を確認していきましょう。
この記事を書いているMotto!はこんな人!

①年間1000時間以上の
指導実績のあるボイストレーナー
②声優志望、プロの声優への
マンツーマンレッスン実績が
年間500時間程度あります
第1章|なぜ「ちゃんと録っているのに迷う」のか
セリフを録音していて迷ってしまう原因は、
実は「録音が難しいから」ではありません。
多くの場合、
判断すべきポイントが整理されていないまま録音している
という状態になっています。
- 滑舌が気になる
- 噛んだ気がする
- 今のは少し表現が弱かったかも
こうした細かい点が気になり始めると、
「何を直すためのリテイクなのか」が曖昧になっていきます。
その結果、
ただテイク数だけが増えていき、
「よく分からないまま疲れて終わる」
という状態に陥りやすくなります。
第2章|録音でやりがちな勘違い①
録音中に基礎を直そうとしてしまう
録音時によくあるのが、
滑舌や発声といった基礎的な部分を、その場で直そうとすることです。
もちろん、
滑舌や基礎はとても大切です。
ただし、それは録音の場で修正するものではありません。
録音は、
すでに身につけてきたものを使って
「セリフとして成立しているか」を確認する作業です。
もしリテイクの理由が、
- 噛んでしまった
- 口が回らなかった
- 発音が不安定だった
といった点ばかりになっている場合、
それは録音の問題ではなく、
事前の練習段階で解決しておくべき課題です。
リテイクの理由が滑舌になってしまうのは、
とてももったいないことです。
録音の場では、
「どう言えているか」よりも
「何が伝わっているか」に意識を向けられる状態を
あらかじめ作っておくことが大切です。
第3章|録音でやりがちな勘違い②
テイクを重ねれば良くなると思ってしまう
もう一つ、多くの方がやってしまうのが、
うまくいかないまま録音を続けてしまうことです。
特に、
- 4テイク以上録っている
- どこがダメなのか自分でも分からない
- なんとなく全部微妙に感じる
こうなってきた場合、
そのまま続けても
良いものが出てくることはほとんどありません。
集中力は落ち、
最初に考えていた読解や目的も
少しずつ曖昧になっていきます。
この状態になったら、
一度、時間を置く。
これが非常に重要です。
- 少し間を空ける
- 別の日に録り直す
- 一旦セリフから離れる
それだけで、
驚くほど冷静に聴けるようになることも多いです。
第4章|録音は「完成品」を作る作業ではない
ここで一つ、
録音に対する考え方を整理しておきましょう。
録音は、
完璧な完成品を作る作業ではありません。
- 今の理解で、どこまでできているか
- どこが曖昧なのか
- 何が足りていないのか
それを確認するためのものです。
だからこそ、
- うまくいかない=失敗
- 迷う=才能がない
ではありません。
むしろ、
迷っているということは
ちゃんと考えながら取り組めている証拠でもあります。
もちろん、ボイスサンプルを録る時などの録音は「完成品を作る録音」です。
しかし、その時に初めて録音を経験するのではあまりにも無計画です。
スポーツに練習試合があるように、どんどん録音して慣れていくことも大事。
そのためにも「録音するときは全て完璧でないといけない」というのは足を引っ張ることがあります。
第5章|一人で判断することの難しさ
ただし、
一つだけはっきりしていることがあります。
それは、
録音したものを「一人で正確に判断するのは難しい」
ということです。
特に、
- 何が良くて何が悪いのか分からない
- 毎回同じところで迷う
- 客観的な基準が欲しい
こうした状態が続く場合、
一度誰かに聴いてもらうだけでも
見え方が大きく変わります。
必ずしも、
すぐにレッスンや本格的な指導を受ける必要はありません。
ただ、
外からの視点が入るだけで整理が進む
という場面は、とても多いです。
特に一人で録音をしていると、

まだ良くなるのではないか
ここが気になる
というのが体感無限に湧いてきます。
結果、いつまで経っても完成品が生まれない、ということになりがちです。
客観的な意見がないと、その思考が落ち着くのはかなり難しいかなと思います。

客観的な意見があっても、止まらない人はいますけどね、笑
まとめ|録音と上手に付き合うために
セリフの録音は、
頑張れば頑張るほど、
拘れば拘るほど迷いやすい作業です。
だからこそ、
- 基礎は事前に整えておく
- テイクを重ねすぎない
- 迷ったら一度距離を置く、周りの意見を聞く
この3点を意識するだけで、
録音の質も、練習の効率も大きく変わります。

録音は「評価される」という役割だけではなく、
自分の現在位置を確認するための道具でもあります。
焦らず、溜め込まず、
一つずつ整理しながら使っていきましょう。
録音後に「方向性が合っているのか分からない」と感じた場合は、
音源1点への簡単なフィードバックも行っています。
https://motto-voice.stores.jp/items/695f276ce843873a773e359e
録音していて、

「これでいいのか分からない」
「テイクを重ねるほど迷ってしまう」
そんな感覚がある場合、
扱っているセリフの種類が影響していることもあります。
特に、ボイスサンプルで使用するような
「掛け合いではないセリフ」は、
相手や前後関係が見えにくく、
一人で判断しづらい構造をしています。
なぜこの形式が難しくなりやすいのかを、
詳しく解説しています。
