
高音が出ない。

練習しているのに思うように変化が出ない。

ボイトレを続けているのに成果が見えず、
何を信じればいいのか分からなくなる。
ボイストレーニングに取り組んでいると、
一度はこうした壁にぶつかります。
真面目に練習している人ほど、

「やり方が間違っているんじゃないか」
と不安になります。
ときには才能の問題ではないかと
考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、多くの場合、
問題は努力の量ではありません。
才能でもありません。
必要なのは、より強い練習ではなく、
見る順番を整えることです。
ボイストレーニングに、
すべての人に当てはまる
万能のメニューは存在しません。
目的地と現在地、
そしてその間にある原因が
整理されていなければ、
どれだけボイトレを重ねても
変化は安定しないからです。
この記事では、
ボイストレーニングで遠回りしないために
最初に知っておくべき
考え方を整理します。
具体的なテクニックの紹介ではなく、
「順番」と「視点」について解説します。
今取り組んでいる練習が
正しい方向に向いているかを
確認するための土台として
読んでいただければ幸いです。

声は変わります。
ただし、変わるための順番があります。
この記事を書いているMotto!はこんな人!

①年間1000時間以上の
指導実績のあるボイストレーナー
②声優志望、プロの声優への
マンツーマンレッスン実績が
年間500時間程度あります
【第1章|すべての人に合うトレーニングは存在しない】
ボイストレーニングの情報は、
今や簡単に手に入ります。
- 腹式呼吸を身につける
- 喉を開く
- ミックスボイスを習得する
SNSや動画サイトを開けば、
多くの「正解」が提示されています。
どれも間違いとは言えません。
しかし、それが
今の自分に必要かどうかは別の問題です。
ボイトレは
正解を覚える作業ではありません。
- 身体の状態や発声の癖
- これまでの経験
- 目指しているジャンル
それぞれによって、
必要なアプローチは変わります。
同じ「高音が出ない」という悩みでも、
原因は人によってまったく異なります。
喉に過度な力が入っているのか。
息の流れが不足しているのか。
地声と裏声の接続が不安定なのか。
あるいは単純に音域の使い方を
誤解しているのか。
原因が違えば、選ぶべき練習も違います。
それにもかかわらず、
流行している方法や
誰かに効果があったメニューを
そのまま当てはめてしまうと、
変化は安定しません。
トレーニングは処方に近いものです。
処方には必ず前提があります。
その前提を整理しないまま
練習を重ねても、
努力は安定した成果につながりません。
遠回りを減らすためにまず必要なのは、
「正しい方法」を探すことではなく、
自分の状態を理解することです。
具体的な発声の仕組みについては、
こちらの記事で解説しています。
【第2章|目的地と原因が定まらなければ到達できない】
ボイストレーニングを始めるとき、
多くの人が考えるのは

何を練習すればいいか
です。
しかし、
その前に整理すべきことがあります。
- どこに向かいたいのか。
- なぜ今そこに届いていないのか。
この2つです。
目的地が曖昧なままでは、
練習の評価ができません。
高音を安定させたいのか、
芯のある地声を出したいのか、
裏声とのつながりを滑らかにしたいのか。
あるいは長時間歌っても疲れない発声を
身につけたいのか。
目指す声によって、
必要なプロセスは大きく変わります。
そして重要なのが原因の特定です。
原因が整理されないまま
ボイトレを続けると、
努力は量になりやすく、
変化は偶然に近いものになります。

昨日はうまくいった

今日は出なかった
といった不安定な状態から
抜け出せません。
ボイストレーニングに必要なのは、
やみくもな反復ではありません。
現在地を把握し、
目的地との差を言語化することです。
- どの音で力が入るのか
- どの母音で崩れるのか
- どのタイミングで息が止まるのか
具体的に言葉にできるようになると、
修正の方向が見えてきます。
言語化できない原因は、
修正できません。
目的地と現在地が見えてはじめて、
トレーニングは
作業から戦略へと変わります。
例えば、高音が出ない場合の原因については、
こちらで詳しく解説しています。
【第3章|変わるのは自分自身】
ボイトレの方法や理論は
数多く存在します。
優れた指導者や教材に出会うことも
大きな助けになります。
しかし、
最終的に声を出すのは自分自身です。
トレーナーは
地図を示すことができますし、
原因を整理し
方向性を提示することもできます。
けれど、
声を変えるのは他者ではありません。
発声の癖に気づき、
うまくいかなかった理由を受け止め、
修正を積み重ねる。
そのプロセスを引き受けるのは、
常に本人です。
ボイストレーニングは
「変えてもらう」ものではなく、
自分の状態を理解し、
調整していく営みです。
主体的に取り組めるようになったとき、
練習は安定します。
外から与えられたアドバイスも、
自分の中で咀嚼されて
はじめて意味を持ちます。
第4章|遠回りしないための3つの視点
遠回りを減らすために、
まず意識しておきたい視点は
3つあります。
1.目的地を具体化する
曖昧な目標ではなく、
困っている場面や出したい声の状態を
明確にすること。

なんとなく高音
ではなく、

この曲のこのフレーズを安定させたい
といった具体性が必要です。
2.現在地を客観視する
録音を聴き返し、
感覚と実際の音を照らし合わせること。
ボイストレーニングでは
客観性が欠かせません。
自分の声を
第三者の視点で確認する習慣が、
改善の精度を高めます。
3.原因に対して練習を選ぶ
方法から入らず、
課題に合ったアプローチを選ぶこと。
ボイトレは量よりも適合性です。
自分の課題と一致していない練習は、
どれだけ続けても効果が薄くなります。
- 目的地を定め、
- 現在地を把握し
- 原因に沿って修正する
この順番を守ることが、
ボイストレーニングで遠回りしない
最も確実な方法です。

声は変わります。
ただし、順番があります。
万能のトレーニングを探すのではなく、
自分の声を理解することから
始めてみてください。
それが、
長く続くボイトレの土台になります。
ボイストレーニングは短距離走ではなく、
積み重ねの分野です。
だからこそ、
最初に順番を整えておくことが、
結果的に最短距離になります。

そしてその積み重ねは、
確実に声の変化として返ってきます。
声優志望の方向けに、
実践用のセリフ集、ナレーション集も用意しています。